本日は北米版ローカライズ開発スタッフからのコメント第四回目をお届けします。
前回までのお話はコチラから→[第一回目][第二回目][第三回目]
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台詞の工夫はメインのキャラに留まらず、NPCにも及びます。「~でちゅ」が口癖のリルティには、普通の人なら"s"と普通に発音できるところを"sh"に変えることで、舌足らずな感じを出しました。 shがポイント!
(例)
リルティ
「なんか  That'sh shome juishy newsh!
おもしろいことになってきたでちゅ

「あ、なにかドアの仕掛けを壊したでちゅ

Oo, they're shmashing shome
いよいよ突入でちゅか mechanishm to open the door.
はじまるでちゅか!?  Ish it-- Yesh, shucshessh!


また、例えば日本語では一言で済むツッコミが、英語に直訳すると物足りないことがあります。この場合は前のキャラの台詞を調整して、ツッコミの土台を作りました。さらに、度の越えた怒りを表すために、北米で一般的に知られているマフィアのお約束の台詞を引用して、毒々しさを強調しました。

セルキー
「沈んだら引き上げてやる I'll reel you in if you start
これなら溺れないから思う存分練習しろ going down. You can practice all
you want without drowning, see?

リルティ
「で き る か っ !  FUHGETABOUTIT!!!

ちびっ子マフィア見参?!
"Fuhgetaboutit" は、"Forget about it" の訛ったもので、 直訳すれば「忘れてしまえ」になるのですが、それが転じて、 相手がとんでもないことを言ってきた場合に「冗談じゃない」 「ふざけるな」等と返す時に使われます。

セルキー
「もしかしたら And if I manage to catch a fish,
魚も釣れるかもしれないし it'd be like killing two birds with
一石二鳥だな one stone!How about that, huh?

リルティ
「エ サ じ ゃ ね ぇ !  HOW ABOUT YOU GO SHLEEP
WITH THE FISHESH!?


一方、"shleep with the fishesh"は、NPCリルティのキャラにあわせてこういう綴りになりましたが、正確には"sleep with the fishes" で、映画「ゴッドファーザー」にも使われた表現です。小包で送られてきた魚を見て、マフィアの一員が "It means ○○ sleeps with the fishes"『「○○は魚と寝ている」という暗号だ』と解説します。つまり「殺されて海に捨てられた」という意味です。

また、相手であるNPCセルキーの台詞の最後に、日本語の台詞には無い "How about that?"(どうだ?)を付け加えることで、NPCリルティも "How about..."で始まる台詞にして、ツッコミを入れやすくしました。

という事で、上記の例ではNPCリルティの二番目の台詞は意味としては「くたばれ」になるのですが、言葉は相手の「魚も釣れる」という台詞に引っ掛けています。

・・・続く

Square Enix, Inc.
FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES Ring of Fates
Localization Specialists
Jyun Takagi & Laurie Spillane