世界は瘴気に包まれた。
人々は、ひとたび瘴気に触れると、もはや生命を保つことは不可能だった。

だが、そんな話は遠い過去のこと。
人々は瘴気から逃れる術を得ていた。

クリスタル──。

それは、人々を瘴気から守る存在であった。
小さな村には、小さなクリスタル。
大きな村には、大きなクリスタル。
クリスタルの光は、人々の生活を優しく包み込んだ。

しかし、クリスタルの光も永遠ではない。
時が経つごとにその力は衰えていった。

ただひとつ、人々が生きていくために行わなければいけないこと──。
それは、年に一度、クリスタルを“ミルラの雫”で清めることだった。
清められたクリスタルは、また一年、優しい光で人々を包んでくれる。

しかし、“ミルラの雫”はどこにでもあるわけではない。
時には洞窟の奥深く、時には山の向こう、そして時には海を越え、
水を授かりに行かねばならなかった。

人々は毎年、それぞれの村の中から“クリスタル・キャラバン”と呼ばれる
若者たちを送り出し、“ミルラの雫”を得てきた。

これは、とある辺境の村の若者たちの物語である。